亡くなった人のことを
ふっと思い出す。
春になると
香りの良い
よもぎのいっぱい入ったお餅を
山ほど作る母
あちら
こちらに
お福分け
皆さん喜んでらした。
私は
お腹いっぱい食べ
気が付けば
よもぎの良し悪しも気づかないまま
作ることもせず
大人になってしまった。
いつの間にか手間暇かけ摘まれているよもぎ
何にも知らないうちに
何にも気づかない幸せなままに
この歳に
母の作る米粉のよもぎ餅は
よもぎで真っ黒
一口食べると
よもぎの香りが口いっぱい広がり
春を届けてくれた
『私を理解してくれない』
いつも忙しそうな母を
不満に思っていたけれど
亡くなって尚
よもぎの味が
春と
母が伝えたかった想いを
結んでくれている。
あの時
気付かなかった母の愛
あの時
幼かった私の気持ち
来年も
再来年も
母とよもぎ
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