感覚にゆだねる

「はい!ゆだねてください。」と言われたら、途端に左脳で「どうやって?」と考える人が殆どではないかと思います。

私の日曜の朝は、シュタイナーのオイリュトミーで始まる。
オイリュトミーはギリシャ語で《美しいリズム》意味しています。
オイリュトミリストは母音や子音の美しい世界をあたかもそこに広がっているように身体の動きと共に導いてくれます。
まさにその瞬間意識は、心地よさに包まれ解放され、ゆだねられ。

私がオイリュトミーの恩恵を感じる機会をいただいたのは、世界中がパンデミックに陥った時。台湾に留学中、重度の鬱になった次女の看病に向かいました。

ただでさえ狭いホテルの部屋に一人、2週間隔離。
間違って携帯電話の電源を切ろうものなら、警察からホテルの部屋に外国語で問い合わせが来て、厳重注意。
部屋から廊下に出ただけでも日本円で何十万も罰金を課せられてしまう。


ほぼ日本語しか話せない私が、友達であり、オイリュトミリストの晃子さんから
毎朝遠隔でオイリュトミーを指導してくださるその時間だけは、『今』という瞬間に心地よくゆだねられました。

この瞬間に心地よく没頭できる。
それがどれだけ素晴らしいことか。

余計な思考(不安や恐怖)を持たず感謝から一日をはじめられる。
そして、

人は限られた環境の中だからこそクリエイティブになろうとする。
まだ起こってもいない心配や世の中の動きより、今ここを積み重ねること。
そのためにも、左脳的思考から解放される時間が何より必要。
あの2週間を体験したお陰で、隔離明け、娘と向き合う覚悟と、揺れながらも心の均衡を保って闘病を見守れたのだと思います。


感覚にゆだねる。
人の未知数な可能性はここから始まる。


P.S
写真は隔離中の食事が届けられているようす。
もちろん、誰もいない。あるのはお弁当だけ。

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